ネスレのマーケティング戦略には、なぜコミュニティが欠かせないか

ネスカフェ

――その他に、テストマーケティングも行われたということですが。

田岡 「カプセルの定期お届け便」のテストマーケティングも行いました。テスト前は1ケース=3箱・1種類単位でしか注文ができず、仮に、送料無料となる計6箱を注文したとしても、選択できるカプセルは最大2種類。様々な種類を注文できる方がお客様にも喜ばれるだろうというアイデアは元々あったので、ケース単位から箱単位に注文方法を変更することで、お客様が「定期お届け便」を利用しやすくなるのかを調査しました。

 結果として、やはり多くの方が箱単位で注文する「定期お届け便」を利用していただけることが分かり、ケース単位ではなく、箱単位での注文ができる「定期お届け便」に変更しました。

エイベック研究所・中西一毅さん

中西 それ以前からコミュニティ内で「ケース単位では余ってしまう」「新しいカプセルを試したくてもケース単位では多過ぎる」「箱単位がいい」という声が上がっていました。こうした声もテストマーケティングを後押ししたのではないでしょうか。

――通販サイトにはギフトの紹介も載っていますね。ギフト需要は多いのですか。

田岡 母の日・父の日の贈り物やゴルフコンペの賞品といったギフト需要は大きく、「ドルチェ グスト」の売上にも少なからず貢献しています。そこで2015年5月に「母の日・父の日ギフト需要リサーチ」を行いました。コミュニティに、「母の日・父の日にコーヒーマシンを贈るとしたら、どんな価格やセットがいいですか?」と問いかけたのです。その結果、1万円程度の価格帯を望んでいることがわかり、決して安ければいいわけではないという発見がありました。

 またコーヒーマシンを受け取った親がすぐ使えるように、お試しのカプセルがついているものがいいという声も寄せられました。これは、コーヒーマシンだけでなく、ギフト需要を考える上で、重要なラーニングになりました。

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