コミュニティだからこそ、
お客様が真に抱える問題を発見できる
――これらのいくつもの施策は、2015年4月以降に実施されたということで、2015年4月に行われたコミュニティのマーケティング戦略の位置づけのシフトに影響されているそうですね。
田岡 立ち上げ当初は「ネスカフェ ドルチェ グスト オーナーズカフェ」という名称で、カプセルの消費を増やすことを大きな目的としていました。コミュニティが発足して5年目の昨年、コミュニティにどういう意味づけや役割を持たせるのかを再考しようという意見がチーム内でも出るようになりました。当時でもコミュニティ会員は5万人を超えており、この多くの会員様のインサイトを探ることができないかと考えたのです。
「マーケティングとは、顧客が抱える問題を解決すること」であると、私たちは考えています。そこで、コミュニティであれば、「5万人のメンバーがどのような課題を抱えているのか」を探し出すことができるのではないか、と考えました。
従来から、定量的なリサーチは数多くしていますが、数字からは見えない問題が多いのも事実です。例えばブラックを飲む人とホワイト(カプチーノやラテ マキアートなどのミルク系メニュー)を飲む人がいて、近年は、ホワイトを飲む人が増えているという結果があったとしても、それはトレンドを示しているに過ぎません。ホワイトを飲む人が増えているのなら、単にその製品に力を入れようという結論は問題の解決ではなく、トレンドを追っているだけです。お客さまが生活する上で抱えている問題は何かを探し、その問題の解決策を考える。そのときに、お客さまが実際に生活する中で感じる具体的な問題の声を集めることができる点で、コミュニティが役立つのです。
中西 コミュニティをどう運営していくかという方向性についてはかなり模索しました。当初はたくさん飲んでいただく施策を考えるという位置づけでした。とはいえ、1週間に10杯も飲んでいる会員様に、それ以上飲んでいただくことは難しい。一方で、会員の方の発言をレポートしていると、いくつも光るコメントが見つかりました。これをなんとか生かせないか、と我々も考えていたところでした。
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