ネスレのマーケティング戦略には、なぜコミュニティが欠かせないか

コミュニティでのお客様との
継続的なコミュニケーションでビジネスの成長へ

――そのようなコミュニティの活用がもたらした成果やメリットを教えてください。

「顧客との長期的な関係性を築く上でも、コミュニティには意義があります」(田岡さん)

田岡 私たちのビジネスモデルの基本は、単にコーヒーマシンを売ることではなく、消費者の方々がカプセルを継続的に買っていただき、「ネスカフェ」を楽しんでいたくという長期的な関係を築くことです。「ネスカフェ ドルチェ グスト ロイヤルティクラブ」は、消費者の方々の問題を探し出すことができるというだけでなく、双方向のコミュニケーションを行いながら、消費者の方々と長期的な関係を築いていくことができるという、私たちの基本となるビジネスモデルにひも付いたコミュニティである点にも意義があります。

 また、私だけでなく、他のブランド担当者もコミュニティを活用しようと前向きに動き出しました。その結果、新製品や新しいコミュニケーション、重要な意思決定の際にしっかりお客様の声を聞き、盛り込むことができるツールに育ちつつあります。このようなツールがあることで、さらに「消費者の方々の問題を発見する」という意識自体が、チーム全体で高まったように思います。

 ただ、実際は、重要な意思決定ほど緊急性が高く、時間をかけられないものです。1週間かけずにコミュニティの声を聞きたいという時でも、エイベック研究所さんが迅速に対応・提案していだだけるので戦略ツールとしての価値が高まっています。

中西 タイトな依頼であってもできることは対応しますし、できないことはできないとはきりお伝えしています。もちろん、田岡さんも譲れないものは譲れないとはっきりおっしゃいます。そう言い合える信頼とリスペクトが根底にあるので、「ではこのスケジュールでやれることはどこまでなのか」「速報値という形で出すことは可能なのか」という踏み込んだ話ができています。

――今後のコミュニティの方向性についてはどのように計画していますか?

「信頼」と「リスペクト」が根底にある関係性だからこそ、踏み込んだ話や提案ができるという

田岡 今後も、ブランドの方向を定める上で、消費者の方々の抱える問題を発見するために、コミュニティを活用していきたいと考えています。それに加え、定期お届け便の利用者であるロイヤルティの高いお客さまと双方向のコミュニケーションを継続的に行っていく重要な場として、コミュニティのあり方を模索していきたいと考えています。このようなコミュニティの活用方法は、まだ多くの企業で実践されていないかもしれませんが、だからこそ私たちは、コミュニティを活用した新しいマーケティングの形をつくっていきたいと考えています。

■問い合わせ先
株式会社エイベック研究所
〒105-0001
東京都港区虎ノ門5-11-1-1001
http://www.aveclab.com/service/index.html

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