カヨ子式「嗅覚教育」
これは、その子のお母さんが教え込んだものと直感したので、まず私がにおいを嗅ぎました。
「そんなことないよ、嗅いでごらん」
「たくさんあるでしょ。黄色いのも、白いのも違ったにおいがするのよ」
私は八重の先祖返りして、変わった冴えない色の水仙を違った場所に移植していたので、「こんな水仙もあるのよ」と言いながら手で折って、においを嗅がせました。
でも、「わあ!」とビックリするほどくさいのです。
確かに、水仙のにおいもしますが、腐敗臭に近い、むせかえるほどすさまじいにおいでした。
水仙は一輪挿しが似合う花ですが、それにしてもこんなにすさまじいにおいのある水仙があるとは思いませんでした。
その子には、においの弱い水仙を2~3本持たせ、私はビニール袋にくさいほうを入れて帰りました。
数日後、その子のお母さんにその水仙のにおいを嗅がせてにおい比べをし、
「同種類の花でも、こんなににおいが違うのよ!自分の経験で決めつけて教えては、豊かな感覚は育たないわよ」
と言いながら、
「お子さんが持ち帰った水仙を花びんに挿してトイレに置いておくと、いいにおいになるわよ」
と伝えました。
≪競博士のひと言≫
感覚刺激に脳が敏感に反応して、認知、記憶がはかどる時期を「臨界期」と呼びます。
臨界期には、記憶学習がはかどるのですが、臨界期でないとうまく学習できないわけではありません。
最近では、「臨界期」よりも、「最敏感期」と言われるようになりました。
嗅覚、視覚、聴覚には「最敏感期」があります。
どれくらいの期間かは、感覚によって違いますが、においの「最敏感期」は、まだよくわかっていません。
においを嗅いで覚えたり、嗅いだ感情は、本人が日々の体験で会得していくものです。
決して親が押しつけてはいけません。これが「感性教育」です。
久保田 競(Kisou Kubota)
京都大学名誉教授、医学博士。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は、日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。1932年、大阪生まれ。
朝4時半起きで仕事をする「朝活」を50年以上実践。ジョギングは30年以上、毎日続けている。著書に、『新版 赤ちゃんの脳を育む本』『2~3才からの脳を育む本』『天才脳をつくる0歳教育』『天才脳を育てる1歳教育』『天才脳を伸ばす2歳教育』『天才脳をきたえる3・4・5歳教育』(以上、大和書房)、
『あなたの脳が9割変わる! 超「朝活」法』(ダイヤモンド社)などベスト&ロングセラー多数。
36万部超の「カヨ子ばあちゃん」シリーズ最新刊!
1・2・3歳で伸ばす親は、ここが違う!
――「脳科学おばあちゃん」からの愛のメッセージ
これまで、計36万部超の「カヨ子ばあちゃんシリーズ」……『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』『カヨ子ばあちゃんのうちの子さえ賢ければいいんです。』『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』『カヨ子ばあちゃんの子育て日めくり』『0歳からみるみる賢くなる55の心得』を刊行してきましたが、今回の『1歳からみるみる頭がよくなる51の方法』は、どうしても、読んでいただきたい一冊です。
私の本を一度も読んだことがない方にも、何度も読んだことがある方にも満足いただけるよう、「脳科学の権威」である久保田競と協力し、最新脳科学データを満載し、内容も一新しました。また、人気絵本作家のおかべりかさんが、「138点の手描きイラスト」を一から描きおこしてくれました。
おかげさまで、2015年6月に刊行した『赤ちゃん教育』は第6刷が決定。『0歳からみるみる賢くなる55の心得』も「朝日新聞」に大きく掲載され、海外から続々翻訳オファーをいただき、「Amazonランキング大賞2016上半期【暮らし・健康・子育て】ベスト20」にランクインしました。
私自身、この20年で3000人超の赤ちゃんと接してきましたが、前々から、
「1・2・3歳のときに、コレだけはやっておかないと後悔することは?」
「多忙な育児中に、クボタメソッドがすぐわかるものは?」
「ゴールデンエイジ(1・2・3歳)でしかできない五感トレーニングとは?」
と言われてきたので、面白くて、長期にわたって役立つ本をつくりたいと思ってきました。
それが本書です。
言いたいことを、レモンを絞るようにスクイーズ。
ギュッ♪ギュッ♪と、読者に役立つことだけをグイッと絞り込みました。
ですから、この一冊は、かならず読んでください。
そうすれば、私が「脳科学の権威」の久保田競と一緒に開発した「クボタメソッド」の真髄が、すぐに頭に入ってくるでしょう。
私にも体験がありますが、「1・2・3歳児の育児」は相当過酷なもの。歩きだした後は、自我が芽生え、イヤイヤ期を迎えて、赤ちゃんのころとは違った難しい問題に次々直面するものです。
ただでさえ、今のお母さんたちは、核家族下での育児を強いられ、戦力になってくれる親族もまわりにいない。ダンナも頼りにならない……。
わかります。わかります。うちもそうでしたから、ほんと大変ですよね。
ただ、働くパパも大変。お母さんの気持ちも、お父さんの気持ちもわかります。
『1歳からみるみる頭がよくなる51の方法』を読む前は、暗い気持ちだったのに、読後感は晴れやかでさわやかなものだったら、著者としてこれほどうれしいことはありません。
※【ps.】
「クボタメソッド」が長年有効とされている秘密は、最新の脳科学データに基づき、前頭前野を鍛え、ワーキングメモリーの能力を高め、海馬を使う記憶の能力を高めるからです。
0歳児の具体的な育児法や心構えを知りたい方は、『赤ちゃん教育』や『0歳からみるみる賢くなる55の心得』も合わせてご活用ください。
どうしても、心細くなったときは目からの刺激が大事です。
自身初の『カヨ子ばあちゃんの子育て日めくり』を何も考えずに、見て感じてください。きっと笑顔に変わるでしょう。子育てをぜひ楽しんでくださいね。
よろしければ、ぜひ一度、『1歳からみるみる頭がよくなる51の方法』とあわせてお読みいただけると幸いです。
【ダイヤモンド社書籍編集部からのお知らせ】
『1歳からみるみる頭がよくなる51の方法
――感性豊かな脳を育む五感トレーニング』
シリーズ36万部突破!
4月15日「読売新聞」掲載!
信頼と実績の「カヨ子ばあちゃんシリーズ」初の
脳がみるみる賢くなる
「五感」トレーニングが満載!
1・2・3歳で伸ばす親は、ここが違う!
●ゴールデンエイジ「1・2・3歳」でしかできないことがある!
●勉強ができて心の強い子、人間関係に長けた子、文武両道の子、海外の子とも伍してやっていける子……すべて五感(感性)がカギ!
●あのとき「これ」をやっておけば……と後悔する前に、この1冊は、かならず読んでください。
【本書の6大特長】
1 幼児の「人権」を認めた教育で、勉強ができて、心の強い子に育つ
2 最新脳科学に基づき、脳の前頭前野をきたえるので、みるみる賢くなる
3 前頭前野がよく働くと、創造的(クリエイティブ)かつ記憶力のいい子になる
4 早くから「五感」をきたえると、人間関係に長けた子になり、苦労しない
5 みるみる賢くなるので、小・中・高・大学での成績がみるみるよくなる
6 どんな荒波でも生きぬく心が育ち、幸せな人生が送れる
子育てはできるだけらくした~い♪
でも、子どもには、勉強ができて心の強い子になってほしい♪
そんなお母さん、お父さんにぴったり!
これさえ読んでおけば安心の【スーパー保存版】が誕生!
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【目次】
◆【はじめに】「脳科学おばあちゃん」からの愛のメッセージ
◆【クボタメソッド120%活用法】本書の6大特長
◆【プロローグ】感覚と前頭前野をきたえ、創造的(クリエイティブ)な子、感性豊かな子に育てよう
◆【第1章】1歳からみるみる賢くなる17の方法
――自由を重視する身体トレーニング
◆【第2章】「視覚」がみるみるよくなる10の方法
――「複合感覚」で記憶力を高めるトレーニング
◆【第3章】「嗅覚」がみるみるよくなる5つの方法
――危険察知力を高める「におい」トレーニング
◆【第4章】「聴覚」がみるみるよくなり、「話す力」がつく5つの方法
――遊びながらおしゃべりトレーニング
◆【第5章】「触覚」がみるみるよくなる4つの方法
――脳科学的に正しい道具を使ったトレーニング
◆【第6章】「味覚」がみるみるアップする7つの方法
――「食べる力」をきたえるトレーニング
◆【第7章】パソコン&ゲームで、「見る力、記憶力、判断力」がみるみる上がる3つの方法
◆【特別コラム】最新脳科学で、「ガマン回路」がついに解明された!