ここで、一つのデータを紹介します。消費者の方々が年間10本ラップを使用するとしたら、どのラップを使っているのかの割合です。わかりやすく端数を調整して100人の消費者がいるとしたら、そのうち25人は8割以上NEWクレラップを使っている人たち。その内訳は、NEWクレラップしか買わないというオンリーファンが5人、残り20人は8本がNEWクレラップ、2本は某社のラップという人です。
同じように某社のラップを8割以上使っている人も、25人います。また、クレラップと某社のラップを半々で使っている人たちが25人。残りの25人は、NEWクレラップでも某社のラップでもない、別ブランドのラップを使っている人たちです。
これまでの営業活動では、NEWクレラップと某社、どちらのラップも半々で使う人たちを、NEWクレラップ側に引きこもうとしていました。でもそれだと、競合の営業担当も同じ努力をしているわけだから、結局半々のまま状況は変わらない。ということで、3年前から作戦を変更しました。NEWクレラップを積極的に使ってくれている、ロイヤルユーザーの25人をターゲットにすることにしたんです。
「製品の使いやすさ」以上に、
「企業姿勢」が評価されていると発見
ロイヤルユーザーさんにどのようになってほしいか、NEWクレラップの「ファン」をどう増やすかということを、一から考え始めました。はじめに行ったのは、グループインタビューです。様々な年代の主婦の方に集まっていただき、競合品も含めたラップ全般について自由に話し合っていただきました。
すると、NEWクレラップの魅力について、意外な結果が出たのです。私たちは、製品の独自の機能、使いやすさなどを評価して下さっていると思っていたのですが、それ以上に「NEWクレラップは毎年工夫や改良を加えて絶えず進化している。その努力する企業姿勢が好き」という声が上がりました。こういった企業姿勢をしっかり伝えるには、お客さまとのコミュニケーションを深めるしかありません。そこで、オンライン上に「クレラップ コミュニティ」を発足することにしたのです。
こうして「クレラップ コミュニティ」は、2014年春にスタートしました。現在、登録会員は2万人超。毎月、5000~1万件のコメントが投稿されています。これは、コミュニティ運営をサポートしてくれているクオン株式会社のメンバーに聞くと、かなり活性度の高いコミュニティといえるそうです。
コミュニティには、他のメンバーの発言を読んで、いいと思ったものに「拍手」をしたり、自分の意見を書き込んだり、写真を投稿できる機能などがあります。メインの掲示板では、月ごとにテーマを変えて投稿を募集しています。4月は「食事の献立のために、参考にしているのはどんなもの?」、6月は「あなたの夕飯の献立を決めるタイミングは主にいつ?」というテーマでした。こうしたテーマはコミュニティオーナーが、時期に応じて提案していきます。「クレラッパーさん」という料理研究家の方にご協力いただいて、季節に合わせたレシピ紹介をするコーナーもあります。
それでは、こういった活動が購買にどう結びついてきたのかをご説明します。コミュニティをオープンして1年弱経った2015年1月、滞在時間や訪問時間、投稿、拍手などのコミュニティでの活動に重みをつけ、活動量を算出しました。そして、コミュニティユーザーにアンケート調査を実施し、コミュニティでの活動量と購買頻度向上の関係を分析しましたが、残念ながら、活動量が増えても、購買頻度が向上するという明確な結果は出ませんでした。
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