NEWクレラップしか買わない!熱狂的ファンを育てたクレハの戦略

 では、1年目(2014年)にコミュニティをどのように運営してきたかを分析してみます。企画テーマを分類してみると、「甘~い春キャベツを使ったレシピを大募集」や「クレラッパーみやちゃんさんが作るレンジで簡単皮なしシュウマイレシピ」など、全体の75%近くが料理関連の企画でした。

「クレラップイチオシ機能総選挙」告知時の投稿
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 この結果を受けて「初年度としては、ユーザーがコミュニティに慣れ親しみやすいという意味で、料理というテーマは非常に良かったけれど、2年目(2015年)はラーニングテーマの割合を増やすことにしよう」と運営チームで話し合いました。「クレラップの刃の山はいくつ?」「ちょっとテクニック!クレラップの空き箱をカンタンに開く方法を教えます!」など、NEWクレラップの特徴や歴史を学べるようなテーマを増やし、最近では、コミュニティサイト2周年記念と銘打って、「クレラップイチオシ機能総選挙」という企画を実施しました。こうして、ラーニングテーマを全体の30%まで増やしました。

 そして、2016年1月に同じ分析を行ったところ、コミュニティでの活動量が増えると、確実に購買頻度が上がるという結果が出ました。

2014年と2015年における企画テーマの割合の変化
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コミュニティ開設から2年後、
参加者の37%がロイヤルユーザーに

 こうしたコミュニティ運営を2年間続けた結果、目的としているNEWクレラップのファン層拡大にはどれくらい寄与したのか。それを調べるため、コミュニティ会員に対して「年間10本のラップ、何を買う?」というアンケートを取りました。コミュニティ開設から約1年後の2015年1月には、8割以上NEWクレラップを購入しているロイヤルユーザーは、24%。その内訳は、NEWクレラップしか買わないというオンリーファンが8%、残り16%は8本がNEWクレラップ、2本は某社のラップという人でした。これは、先ほどご紹介したモデルデータとほぼ同じ結果です。

 では、コミュニティ開設から約2年後の2016年1月の結果はどうなったか。過去2回のアンケート両方に回答していた409名を調べてみると、NEWクレラップしか買わないオンリーファンは14%に、年間8本はNEWクレラップを買うという人は23%に増えました。結果、8割以上NEWクレラップを購入するというロイヤルユーザーは14+23=37%になりました。これは、目標水準にかなり近いところまで来ています。商品のラーニングを軸にしたコミュニケーションを増やしたことで、コミュニティでの活動を通じてNEWクレラップやクレハに対する理解や愛着が高まり、購買意欲を上げることができているのです。

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