売れる理由は仮説と
全くもって違っていた
(写真はイメージです)
少し前のお話です。当社に、ある有名なアンチエイジング化粧品ブランドAを持つ企業から、「新規ユーザー獲得の伸びが止まっている原因を探るため、既存顧客がAを購入する理由を調査してほしい」という依頼が舞い込みました。
同社は、「自然派・誠実さ」をAのイメージとして打ち出しており、「ケミカルスキンケア化粧品を試してもなかなか肌にフィットしなかった経験豊富なユーザーは、最終的には、天然成分のみを用いた自然派化粧品ブランドとして信頼のあるAを選択する」という仮説の下にプロモーションを実施してきたといいます。
しかし、これはあくまで企業側の仮説に過ぎません。私たちは早速、複数の既存ユーザーにインタビューしてみました。するとどうでしょう、多くの人からこんな答えが返ってきたではありませんか。
いわく、彼女たちは若い頃から肌に自信があり、特にスキンケアを意識してこなかったまま40代を迎え、急速に肌の衰えを感じ始めます。ところが、スキンケアに対する知識は皆無。頭を抱えていたところ、さかんにテレビで宣伝をしていたブランドAに出会い、「とにかく使ってみよう」と購入したのがきっかけだったとのことでした。
仮説とは真逆の事実に、同社のマーケティング戦略は大きな方向転換を迫られたわけですが、幸いなことに、その後行ったリブランディング施策によって、多くの新規ユーザー獲得に成功することができました。
企業が思いもよらぬ答えを引き出せる定性調査(=インタビュー)が、いかに大切かがよく分かります。
もう一つ、さらに多くの「思いもよらぬ答え」が引き出せるという点で、私たちは、ソーシャルメディア上の声を聞く「ソーシャルリスニング」も、よく活用しています。次のケースを紹介しましょう。