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米国で「ポケモンGO」人気が
たった1週間でピークアウトした理由

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第400回】 2016年7月28日
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ゲーム業界の専門家が指摘する3つの弱み

 よく指摘されるのは、「ポケモンGO」にはスキルを上達させていくという学習効果のうまみや上達フィードバックがないことだ。ポケモンをうまく捕まえられるように技を磨くといったタイプのゲームではなく、捕まえる回数自体が課題で、ゲームは単純。だからすぐに飽きてしまう。

 ゲーム業界での経験も長く、現在はウィリアム・モリス・エージェンシーでデジタル部門のトップを務めるダン・ポーター氏は、「ポケモンGO」の弱みを3点挙げる。

 1つは、コンテンツが有限であること。人気ゲームでは他のプレーヤーがコンテンツを提供して、プレーヤー同士のつながりが強まっていくといった側面があるが、「ポケモンGO」にはそれがない。

 もう1つは、たとえば「テトリス」や「キャンディ・クラッシュ」にあるような、しゃかりきになってしまうような要素がないこと。これらのゲームでは、プレーヤーがゲームに釘付けになるような心理状態や脳の動きが現れる。それが「ポケモンGO」には見られない。

 そして、ポケモンを探すだけならば初心者プレーヤーでもできるが、もっと上級になろうとすると、今度はバトル流の「ジム」攻略が難し過ぎる。うまいゲームは、もう止めようと思った瞬間に前進できるようなレベルづくりがなされており、それで興味が持続するのだという。

 これらに加えて言えば、野外で活動的になるためのゲームだというが、やっぱり外で何キロも歩き回るのは面倒だという本心が次第に頭をもたげてくるというのもあるだろう。やっぱりゲームは、家でダラダラしながらプレイしたいと思っても無理はない。

 屋外やAR、位置など趣向を変えても、ゲームの真髄はなかなか変わらない、ということなのだろうか。

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瀧口範子
[ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。

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