図(2)は、勤続年数が38年の人が退職金を一時金で2000万円受け取ったケース。退職所得控除は38年分だと2060万円で退職金の額を上回るため、税金はかからず、2000万円がまるまる手取りとなる。ちなみに退職所得は「分離課税」といって、他の所得、たとえば給与所得などと合算されずに退職所得だけで税額計算がされる。

 さて、退職金制度がある会社員や公務員が個人型DCに加入し、60歳の年に退職金とDCを両方一時金で受け取ると、税金はどのように計算するのか。ケースBは、30歳で転職し60歳で退職(勤続年数30年)、個人型DCを40歳から20年間積み立てしていた人のケース。非課税枠となる退職所得控除は、それぞれで使えるわけではない点に注意したい。

 退職収入は、退職金とDCが合算されて2288万円。退職所得控除は、複数退職金のうち長い方の勤続期間(または加入期間)を使えるので、30年分の1500万円が控除される。これにかかる所得税と住民税は、75万4500円(復興増税は考慮せず)。結構まとまった額の税金だ。個人型DC分は288万円なので、それに多くの税金がかからないと考えていたとすると見込み違いとなる。