今、中古マンションに熱い視線が注がれています。新築マンションの価格が高騰し過ぎて、手に届きにくくなっていることから、消費者の目がにわかに中古物件に向いているからです。1月16日に『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』(ダイヤモンド社)を上梓した著者の日下部理絵さんは、これまでに1000棟以上の物件を見てきたマンション管理のプロフェッショナル。日下部さんいわく、中古マンションは「値下がりしにくい価値ある物件」を選ぶのが賢い選択とのこと。では、どんな物件を選ぶのがいいのか? そのポイントをわかりやすく解説します。

一度は住みたい!憧れのタワーマンション<br />でも、飛びつくのは危険です

 

東日本大震災以前に建設されたタワーマンションの低層階は、
お得感があるものも

 タワーマンションと聞いて、あなたはどんなことを思い浮かべますか? 成功者の証のようなイメージがあり、「人生で一度は住みたい」と思ったことがある人も多いのではないでしょうか。

 タワーマンションのメリットといえば、「高層階からの眺望」「ゲストルームなどの共用施設」「宅配便やクリーニングの取り次ぎなどコンシェルジュサービスの充実」などがあげられます。

 一般的に高層階(特に南向き)ほど価格が高く、低層階は低く設定されています。

 しかし、この高層階でも景観によって価格設定が違うため、中古マンションを購入する際は注意が必要です。たとえば、東京タワービュー、スカイツリービュー、お台場ビューなどは、値段が高く設定されています。

 また、一般的にタワーマンションでは、高層階と低層階の価格差が大きかったのですが、東日本大震災以降にタワーマンションの人気が衰えた時期があり、タワーマンションでも低層階ばかりが選ばれている時期があります。

 そのため、東日本大震災以降に建てられたタワーマンションでは、以前ほど低層階と高層階との価格差がない物件も多く存在します。

 言い換えれば、東日本大震災以前に建設されたタワーマンションの低層階は、お得感があるものも多く存在するということです。