待望の新刊、『OPENNESS  職場の「空気」が結果を決める』が発売5日目に重版し、3万部を突破。著作の合計部数も30万部を超えた北野唯我氏。いま、人材マーケット最注目の論客であり、実務家だ。
その北野氏が、今回選んだテーマは、「組織」。「ウチの会社、何かがおかしい?」という誰もが一度は抱いたことがある疑問を科学的、構造的に分析し、鮮やかに答えを出している。
なぜ、あなたの職場は今日も息苦しいのか。具体的に、何をすれば「オープネスが高い」組織がつくれるのか。明日、少しでも楽しく出社するために、一人ひとりができることは何か。本連載では、これらの疑問について、独自の理論とデータから解説する。
今回は、本書のテーマである「オープネス=風通しの良さ」と密接に関わるリーダーの優しさ、弱さについて聞いた。(聞き手・構成/樺山美夏)

人望がない上司ほど「弱みを見せる」ことを恐れているPhoto: Adobe Stock

――北野さんの組織に蔓延するモヤモヤや不安の正体を明らかにする、という姿勢は、ベストセラーになった『転職の思考法』と『天才を殺す凡人』から一貫していますね。

どの本にも共通するのは、社会の理不尽に対する憤りが出発点で書いた点です。個人の才能や可能性をつぶす組織の在り方、職場の人間関係、働きにくさといった目に見えない嘘をすべて暴いて、定義づけして、処方箋まで出したい。そして、日本企業の1%でも2%でもいいから、働きやすい職場にできたら嬉しいと思っています。僕がこれまで出した本はすべてそれが目的ですね。

――今回、「オープネス」(職場の空気)というテーマにフォーカスしようと思ったきっかけはあるのでしょうか?

僕自身、日本の職場の働きづらさと日本企業が成長できないのは、言いたいことが言えない職場の風通しの悪さ、閉塞感がひとつの原因だと、実体験から感じていたんです。周りにも、本音を言うと衝突が起きたり、相手の機嫌を損ねたりして自分の立場が危うくなるから、言いたいことがあってもほとんど言えないという人が少なくありません。