西塚至・墨田区保健所長Photo by Satoru Okada

>>(上)より続く

新型コロナウイルスの感染第3波では、東京都内の感染者が1日当たり2000人を超える日もあり、医療現場がひっ迫。そこで墨田区は民間病院と連携し、区内で完結した受け入れ態勢で、入院待ちゼロを実現した。実現に奔走した墨田区保健所の西塚至所長のインタビュー後半をお届けする。(聞き手/ダイヤモンド編集部 岡田 悟、野村聖子)

1月下旬から区内入院待ちゼロを実現
一般病院が回復者、軽症者受け入れで連携

――墨田区では1月28日以降、入院待ち患者数ゼロの状況が続いています(2月16日時点でも継続中)。

 全国と同様、昨年末から新型コロナウイルス感染症患者において重症者が区内で増えてきました。症状がある場合はとにかく検査を受けてくださいとお願いしていましたが、検査が遅れて症状が進んでしまったケースが多かったのです。

 その結果、感染症指定医療機関で高度医療が可能な東京都立墨東病院のコロナ病床が埋まってしまいました。また、軽症者や回復した人が入院を続ける一方で、重症者ほど入院できないという事態にもなっていました。