同じ遺伝子を有し、自然界のクローンとも言われる「双子」。
だが、これまでに出会った双子を思い返してみると、
不思議なことに気づかないだろうか?

「果たして双子は、『クローン』と呼べるほど『同じ』なんだろうか?」

体重差が27キロある双子、
一方だけが乳癌になった双子、
ゲイとストレートの双子……。
本連載に登場する、「同じ遺伝子を持ちながらまったく違う(Identically Different)双子」は、
遺伝子だけでは説明できない「何か」の存在を教えてくれる。

このような、遺伝子によらない遺伝の仕組みが、
いまや生物学・遺伝学だけではなく、
長寿や健康、ガン治療などの観点からも注目を集めている「エピジェネティクス」だ。
本連載は、「同じなのに違う」双子の数奇な運命を通して、
遺伝学の最前線を紹介する。