例えば、算数の宿題が多い週でも、国語の読解や理科・社会の復習をゼロにしないことが大切です。短い時間でも教科に触れておけば、学習の流れが途切れるのを防げます。

 計算練習や漢字、熟語、慣用句などは、朝の学習に組み入れる方法もあります。毎日少しずつ取り組む学習と、夕方や夜にじっくり考える学習を分けることで、予定が崩れた日にも最低限の学習を確保できます。

秋の壁を越える鍵は
「全部やる」ことではない

西村則康氏顔写真

 西村則康(にしむら・のりやす)
中学受験のプロ家庭教師「名門指導会」創業者/中学受験情報局 主任相談員。40年以上難関中学受験指導をしてきたカリスマ家庭教師。これまで開成、麻布、桜蔭などの最難関中学に2500人以上を合格させてきた。著書に『中学受験成功への鍵は「親メンタル」! 「受験で勝てる子」の育て方』(日経BP)。

 宿題が回らなくなったとき、勉強時間を増やしてすべてを終わらせようとすると、子どもはさらに疲れてしまいます。

 4年生は、計算や図の使い方、語彙など、その後の学習を支える「型」を身につける時期。5年生は、受験に直結する重要単元の基礎を、各教科で丁寧に理解する時期です。

 学年によって優先すべき内容は異なりますが、共通しているのは、課題の量ではなく理解度を基準に考えることです。すでにできる問題を何度も繰り返すのではなく、あと少しで理解できそうな問題を選ぶ。算数だけに時間を使わず、4教科の学習時間を確保することが大切です。

 秋の壁を乗り越えるために必要なのは、すべてを頑張ることではありません。「やらない勇気」を持つことこそが、合格への最短ルートなのです。

 親子で「今、何を優先するか」を整理し、やるべきことに集中できる学習環境をつくっていきましょう。