
嶋矢志郎
中国政府が続けてきた一人っ子政策を廃止して、産児制限の緩和へ踏み切った。すべての夫婦に例外なく第2子の出産を認めるという。しかし、「未富先老」が進む中国では遅きに失した観がある。脱一人っ子政策への期待は過分ではないか。

アベノミクスが第2ステージへ移り、安倍首相は「強い経済」を最優先に、新たな3本の矢を提唱した。しかし、求められているのはより具体的な施策の着実な有言実行である。第1ステージの総括が必要だ。新・三本の矢はどれほどの実効性を持っているのか。

難民危機に襲われた欧州では、EUが12万人のシリア難民受け入れを義務化した。翻って、日本はいまだ「難民鎖国」の状態だ。昨年の難民認定は、約5000人の申請者に対してわずか11人。安倍首相の「積極的平和主義」は看板倒れではないか。

中国が開催した戦勝70年の記念式典と軍事パレード以降、習近平国家主席と韓国の朴槿恵大統領の「蜜月ぶり」がクローズアップされている。両者の接近によって日中韓首脳会談再開のメドが立ったのはよいが、日本の置かれた立場は一層難しくなった。

第12回
8月14日に安倍総理が表明した「安倍談話」は、いったい誰に何を訴え、伝えたかったのか。自らの誠意ある、心からの言葉で語り切れていない、舌足らずの談話は説得力を欠く。なぜ安倍談話は心に響かなかったのか、またどうすれば心に響くものになったのか、筆者なりに考察したい。

第5回
よこしまな悪知恵を奸知といい、自分の都合の良いように無理に理屈をこじつけることを牽強付会と言う。それに、策略もあれば、虚言もあり、侮辱もある日常茶飯である。安全保障関連法案の審議における安倍首相の言動を見聞し、ジャーナリスト・嶋矢志郎氏が感じた率直な感想である。
