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日常の中で、やけに「分かりにくい文章」に出会うことはないだろうか?どうして、そのような文章が生まれてしまうのか。プログラミング言語や芸術文と比較しながら、その理由と「分かりやす文章」に必要な要素を考えていこう。※本稿は、藤沢晃治『「分かりやすい文章」の技術 新装版 読み手を説得する18のテクニック』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。
プログラミング言語と違い
文章はあいまいになりやすい
私は、コンピューター・ソフトウェア業界に身を置いています。いわゆる、プログラミング言語には、学生時代から馴染んできました。
プログラミング言語とは、コンピューターに指示するための言語です。
コンピューターに、処理して欲しい仕事の指示をプログラミング言語に翻訳するのがプログラマーです。プログラムという文章を書くという点で、プログラマーも一種の書き手です。
私も豊富なプログラマー経験があります。そして、もちろん自然言語の日本語でも文章を書いています。
プログラム言語と日本語という2種類の言語で書いていて気づいた、日本語の文章の特徴があります。以下、「文章」とは日本語で書かれた文章、「プログラム」とはプログラミング言語で書かれた文章を意味します。
プログラムと比較すると、第1に挙げられる文章の特徴は、あいまいさに満ち満ちていることです。
もちろん、芸術文ならば、そのことは障害になるどころか、モヤモヤとした情緒的世界を表現するには、むしろ適した特徴でしょう。しかし、明確に意図を伝えて目的を確実に達成したい実務文では、困った特徴です。あいまいさは目的達成の障害になるからです。







