大澤真幸
なぜ人々は反ポリコレを選ぶのか?トランプと斎藤知事に共通した勝因
リベラルが掲げる「正しさ」や「寛容」は、いつしか人々に押しつけがましく映るようになった。そんな空気の中で支持を集めたのが、トランプや斎藤知事のような「反ポリコレ」的な存在だ。その言動は過激でも、「敵と戦う姿勢」が共感を集めていった。彼らが有権者から選ばれた理由を深掘りしていく。

米大統領選は「トランプが勝ったのではなく、ハリスが負けた」専門家が断言する決定的な理由
2025年夏の参院選では、野党各党は揃って実現見通しの薄い政策を掲げて戦い、議席を維持もしくは増やした。ここで筆者は、「選挙では、〈できないことを断言する〉候補が選ばれやすくなっている」という。それは世界最大の民主主義の祭典、2024年のアメリカ大統領選挙でも見られた現象だった。実はあのとき、勝ったトランプは支持を獲得したわけではない。「できることしか言わない」カマラ・ハリスが自爆的に転んだ結果、トランプは大統領に返り咲いたのだ。

まるで「おしどり夫婦」の離婚劇…民主主義と資本主義はなぜ仲違いするのか
資本主義の本場アメリカで国会議事堂が襲撃されたように、市場経済に見捨てられたと感じた人々が、怒りの矛先を民主主義に向けはじめている。一方で、共産主義を建前とする中国は市場経済の導入によって大発展を遂げた。かつては民主主義の最良のパートナーと目されていた資本主義は、どこへ向かうのか?
