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服部直樹
日本の企業部門は、長く続いた資金余剰(カネ余り)状態から、再び資金不足へと転換しつつある。背景にあるのは、経済安全保障を重視したサプライチェーンの見直しによる、国内投資の活性化だ。一方、そうしたマネーの流れの激変に伴い、企業のファイナンスを誰が担うか、財政や海外投資との競合にどう対応するか、といった新たな課題も生じている。

日本銀行は政策金利を0.75%から1%に引き上げたが、家計や企業への影響を試算すると、0.25%幅の利上げで家計は預貯金の利子収入増などで年1兆円のプラス効果に対し、企業の経常利益は1.1兆円減少する見通しだ。政策金利が中立金利の下限の1.5%まで引き上げられる本格的な金利のある経済では、家計は年間7.2兆円のプラス効果に対し、企業利益は2.3%押し下げられる計算だ。
