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事業停止のクリスタルが蘇生
派遣法規制強化の死角が露呈

週刊ダイヤモンド編集部
2009年8月4日
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 この6月に行なわれたある事業譲渡が、人材派遣・請負業界の関係者を驚かせている。違法派遣により事業停止命令を受けたフルキャストが、リストラの一環として、子会社のフルキャストファクトリーを「総合請負サービス」なる会社へ売却したのだ。フルキャストファクトリーは製造業務に特化した人材サービスを行ない、2008年9月期に売上高129億円、経常利益5億円を計上している。

 業界が騒然としたのは、その買い手企業の生い立ちにある。総合請負サービス社長が、「クリスタルグループの“第二世代”と呼ばれる1990年代入社組の幹部」(クリスタルOB)だったからだ。クリスタルといえば、売上高5000億円以上を稼ぐ業界最大手だったが、06年10月に、主力子会社のコラボレートが偽装請負を繰り返したとして、事業停止命令を受けたため、創業家が株式をグッドウィル・グループ(現ラディアホールディングス)へ売却し、業界から姿を消していた。

 ところが、この1月、総合請負サービスが設立され、それがフルキャストファクトリーを買収したことで、「クリスタルグループが再起するのではないか」(人材派遣会社社長)との憶測を呼んでいるのだ。

 問題は、一時は社会的制裁を受けて市場からの撤退を迫られた企業が、名前を変えて復活することが、現行法制上ではいとも簡単なことだ。まさに抜け穴である。

 7月27日に民主党が発表したマニフェストでは、製造派遣の禁止など労働者派遣法の規制強化の方向性を明確にした。その狙いは、派遣労働者を過酷な労働環境から救済するためだ。だが、派遣法が規制強化されれば、派遣事業者は、監督官庁も業法もない「請負会社」として生まれ変わるだけで、なんら実態は変わらない。派遣と請負はセットで議論されるべきテーマであろう。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 浅島亮子)

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