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何かやりたいことがあるとき、スマホを開き、目的に沿ったアプリを立ち上げて操作する……我々が日々当たり前にやっていることだが、このプロセスをガラッと変える最新AIデバイスが「rabbit r1」だ。アプリを探す必要はなく、ボタンを押しながらやりたいことを話しかけるだけ。「今日の天気は?」「ユニクロのサイトで、春のおすすめ商品を検索して」「(写真を撮って)これは何?」あるいは外国で翻訳モードを呼び出し、同時通訳をさせることもできる。手のひらサイズで3万5000円、iPhoneとは異なる生成AI時代のモバイルデバイスとなる可能性を秘めた”rabbit r1”はどんなことができるのか、詳しく紹介する。(テクノロジーライター 大谷和利)
1年前のCESで登場した手のひらサイズのネイティブAIデバイス「rabbit r1」
約1年前のCES 2024で鳴り物入りで発表された、ネイティブAIデバイスrabbit r1。(ChatGPTなどのように)単にAIとチャットでやりとりできるだけでなく、Uberを呼んだり、気分に合った音楽をかけたり、出前を注文できたりといった「アクションを起こせる」AIデバイスとして注目を集めた。筆者も、アプリ過多状態のスマートフォンのアンチテーゼとして当コラムで取り上げたのだが、2024年半ばに日本への出荷が始まった時点では、言語対応は英語のみで、約束されたサービスも完全には提供されていない状態だった。
しかし、開発元のRabbit Inc.は地道にRabbit OSとAI機能の改良を続けていた。先ごろ、rabbit r1は多言語対応を実現し、日本でも使いやすい環境が整ってきた。依然として改善すべき点はあるものの、スマートフォンとは異なる進化の方向性には今も個人的に期待しているため、今回の記事ではその近況を紹介しようと思う。