氷河期、バブル…どの世代が損をした?5世代を比較! 主要100社の「20年間年収推移」#21Photo:SOPA Images/gettyimages

今回は建設機械、重機械の主要4社を取り上げる。三菱重工業、コマツ、川崎重工業、IHIの中で、年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が得をしたか?特集『氷河期、バブル…どの世代が損をした?5世代を比較!主要100社の「20年間年収推移」』(全32回)の#21では、過去20年間を10年刻みにして、5世代それぞれの平均年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。その結果、各社とも若手の社員が恵まれているという結果になった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

建設機械、重機械の主要4社の世代間格差
企業規模の小さいIHIの年収“下克上”

 今回は建設機械、重機械の主要4社を取り上げる。三菱重工業、コマツ、川崎重工業、IHIが対象だ。

 売上高で企業規模の序列を見ると、三菱重工(2024年3月期の売上高は4.6兆円)、コマツ(同3.8兆円)、川崎重工(同1.8兆円)、IHI(同1.3兆円)の順番になっている。

 一方、従業員の平均年収をチェックすると、一部で“下克上”が起きている。データセンターの建設ラッシュもあり、発電向けのガスタービンの受注が絶好調の三菱重工は、平均年収965.5万円でトップを守った。

 だが2位となったのは、4社の中で最も企業規模が小さいIHIで、金額は836.4万円。次いでコマツ(830.8万円)、川崎重工(809.6万円)という序列になっている。

 なお、これは直近の1時点のみの評価で、若手から年配まで社員全員の平均値である。現在注目されている世代間格差の観点に立つと、各社はどうなっているのだろうか。

 4社の中でそれぞれ、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?このことを探るため、ダイヤモンド編集部は20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。

 2000年代から現在までの、20代、30代、40代、50代といった現役世代から、60代と70代のOB世代までが対象である。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収で見たときに序列は高かったのか」が、残酷なまでに浮き上がる47項目のデータとなっている。

 試算の結果、各社とも若手の社員が恵まれているという結果になった。ただ、IHIは、若手以外に年配の社員も勝ち組となった。専門家による3年後の平均年収の予想額も掲載した。次ページで確認しよう。