「旨い日本酒をリーズナブルに愉しむにはどうしたらいいか」
常日頃から一点の曇りなく、この命題に腐心している。
店頭小売価格が1升3000円前後の純米・吟醸クラスが居酒屋では1杯(あえて「1合」とはいわない)700~900円。(ありがたくもない)お通しが出てきて、酒を3杯と肴を1品注文したら3000円をオーバーしてしまう。
ここが正調派・日本酒党の牛スジ煮込みならぬアキレス腱である。
1回の飲み代をMAX5000円に抑えられないものか――そこで目をつけたのが、居酒屋の「飲み放題」システムだ。
これほどストレートでわかり易いシステムはないし、左党にとっては何物にも替えがたいほどのバリューに富んだ響きがある。ところが、その内容たるやあまりにもお粗末なところが多い。
店側も商売である以上、赤字を前提にしたシステムであろうはずがないのは理解できる。しかし、120分制なのに実質90分でオーダーを打ち切るなど、ユーザーを無視したルールを強要したり、酒の選択肢はといえばビールという名の発泡酒や大手メーカーの紙パック酒という、品質を極限まで落とした酒でオーダーに対応している店が少なくないのだ。
料金設定も店によってまちまちだが、120分制なら安い店で980円、高い店で2000円というところだろう。もっとも2000円クラスにもなると、ビールはモルト系生ビールに格上げされ、日本酒はいわゆる準大手系「地酒」が選択肢に加わったりする。ところが、そのなかで知名度が高い酒を頼もうものなら「品切れです」状態が多いのはどういうわけだ。
“国内最強”ははたして真実か
気になる布陣とサービス内容
そうしたなか、“国内最強飲み放題(ラストオーダー2時間/お一人様2000円)”を飲食系ポータルサイトで堂々と謳っている店を発見。
その内容は「ビール2種、旨い!日本酒(常時入れ替え)10種、体が喜ぶ梅酒 約20種、ときめく果実酒 約10種、(プレミア多数)焼酎 約30種、国産グラスワイン2種、ありえない!本日のシングルモルト 約4種、カクテル各種、焼酎割り3種、ソフトドリンク10種」というではないか。