今月から施行された改正道交法では自転車の「スマホのながら運転」や「酒気帯び運転」が罰金を伴う罰則対象となり、来年5月までには右側通行や歩道の徐行違反などに”青切符”が導入される予定となっている。この自転車への罰則強化に、多くの歩行者やドライバーが歓声を上げている。なぜ自転車は、ここまで煙たがられているのか。(フリーライター 武藤弘樹)
自転車への取り締まり強化
改正道交法でどうなった?
11月1日より改正道路交通法が施行され、自転車への取り締まりが強化された。これを受けて多くの人が大喜びしているが、その反応についてはのちに詳しく触れていくとして、まずは道交法がどう変わったかのおさらいしておく。
今回の改正道交法では主に「スマホの『ながら運転』」と「酒気帯び運転」が罰金を伴う罰則の対象となった。これらの「危険行為」に該当する違反を3年以内に2回以上すると「自転車運転講習」の受講が義務付けられ、これを無視すると5万円以下の罰金が課せられるという代物である。
自転車関連の事故件数は年々増加していて、スマホのながら運転による事故も大幅に増えている。また、自転車が第一当事者(過失や受傷の程度が最も重かった人)だった際の交通事故では、死亡・重傷事故率が「飲酒なし」の15.9%に対し、「酒気帯び」では29.5%へと跳ね上がる。これらへのケアが改正道交法の狙いである。
また、「2026年5月23日までに施行」とされる改正道交法では、16歳以上の自転車の運転者を対象に俗に言う”青切符”の導入が規定された。青切符とは、軽微な交通違反に対して課されるもので、違反した際に渡される「反則金〇〇円払うべし」と書かれた水色っぽい紙のことである。
自転車の交通違反へのこの青切符の導入は、相当大きな動きである。これまで自転車の交通違反には、一応「違反」という見なされ方はされつつも具体的な裁きは行われなかったので、無法な運転が実質看過されてきた。しかし青切符が導入されれば、違反にはしっかり”反則金”という形で裁きが加えられる。そうすれば自転車利用者は違反して反則金を取られないように気をつけるに違いなく、意識が大幅に変わるはずである。