ハーバード大教授が「日本は蘇った」と感じた理由、何より驚いた訪問先とは?Photo:PIXTA

約10年ぶりに実施されたハーバードビジネススクールの日本への研修旅行で、参加した教員たちは14の企業を訪問した。その一つが、障がい者雇用推進企業である「オムロン京都太陽」だ。なぜ同社を訪問先に選んだのか。教員たちが注目したポイントとは。研修旅行の幹事を務めたカール・ケスター教授に話を聞いた。(聞き手/作家・コンサルタント 佐藤智恵)

>>前編『ハーバードの教員たちが、今こそ日本に行きたがる「3つの理由」』から読む

「オムロン京都太陽」を訪問して
何よりも驚いたこと

佐藤智恵 京都ではオムロングループ(以下、オムロン)の障がい者雇用推進企業「オムロン京都太陽」を訪問しました。なぜこの会社を視察先に選んだのでしょうか。

カール・ケスター オムロン京都太陽を選んだ理由は主に2つあります。1つは、製造業の会社であること。私たち幹事は、日本のコア産業である製造業の現場を教員たちにぜひ見学してほしいと思い、少なくとも1社はメーカーを訪問先リストに組み込みたいと考えていました。オムロンは日本を代表する製造業の会社ですから、視察先としてぴったりだと思いました。

 もう1つは、社会的なパーパスを明確に掲げていること。近年、ハーバードビジネススクール(以下、ハーバード)では、「企業の社会的目的」について授業で教えている教員が増えてきています。オムロン京都太陽は、さまざまな障がいがある人たちを雇用し、その能力を生産現場で生かしている企業であることから、教員たちにとっても学び多き企業であると思いました。

佐藤 教員たちはどのような点に関心を示していましたか。