仮エントリーした会社から、相次いで説明会の案内が入ってきて娘は驚いたようだ。学年末の試験があるので参加できないものもあるらしい。
娘「1月の最後の週から、会社説明会の予定がドンドン入ってきたよ」
妻「今は、試験期間中じゃないの?」
娘「2月15日までなの。だから出席できない説明会もあるよ」
妻「最近の郵便物も裕美のものばかりね」
娘「あれは説明会と違って、仮エントリーと関係なしに送ってくるんだ」
父「いったい何社の説明会の予定があるんだ」
娘「2月だけで25社かな。これからも増えるかもしれない。」
父「それじゃ、ほぼ毎日だ。」
娘「そうなの。1日に3つの日もあるよ」
妻「いよいよ動き出したわけね」
父「これから毎週末は『就活作戦会議』を開こう。略してSSK」
妻「すぐに調子に乗るんだから」
いまから仕事と子育ての
両立を考える?
父「ところで、『第2回にっけい子育て支援大賞』を受賞した大手メーカーT社を紹介した新聞記事(次ページ【注1】参照)を見てごらん。驚いたよ」
娘「ここまで配慮をする会社もあるんだ。」
妻「裕美もT社に入社できればいいわね」
父「お母さんは、すごく力が入っている」
妻「私が勤めていた商社は、結婚すると辞める暗黙のルールがあって、選ぶことなんてできなかったから。」
父「そうだったよなぁ。金融関係は、続ける女性が多かったけどね。」
妻「裕美の時代は、結婚しても仕事を続けないといけないと思うの。だから前から教師か公務員がいいって思っていたの」
父「就活では、こういう情報は流れてくるの?」
娘「余り意識していなかった。(しばらくして)T社の採用HPで確認したけど出ていなかったよ。どの会社も男性のキャリアが中心だから」
父「それに、こういう制度は、仕事をスムーズにしたり、社員のモチベーションを上げるための手段でもあるので、会社はあまり強調しないよ」
妻「そういうものなのね」
父「裕美は、どう思うんだ?」
娘「以前は、仕事と結婚・子育ては、その場面で考えればいいと思っていたけど、重要かもしれないなぁ。でもまだ遠い先という感じもするよ。」