料理研究家・管理栄養士の関口絢子さん料理研究家・管理栄養士の関口絢子さん Photo by Wataru Mukai

ビジネスパーソンが体の不調を未然に防ぐことに役立つ「予防メシ」を紹介する連載。第2回のテーマは「疲労回復」。もっと仕事に前向きに取り組みたい人にオススメの“身近な食材”と“最強ドリンクのレシピ”をご紹介。教えてくれるのは、YouTubeチャンネル登録者数59万人をほこる料理研究家で管理栄養士の関口絢子さん。

体調不良を予防して、仕事と私生活の土台をつくる「食材・レシピ」をご紹介する連載「予防メシ」連載をフォローすると新着記事がメールで届くので、読み逃しがなくなります。

朝から疲れている人は
なぜ疲れているのか?

 十分な睡眠をとったはずなのに、目覚めた瞬間から布団から出るのも面倒に感じることはありませんか。

 朝から疲れている人は、自律神経の乱れが原因の一つと考えられます。自律神経とは、心臓の拍動や血圧、呼吸、体温、消化などの、意識的にコントロールできない体の働きを調節する神経系のことです。身体の基本的な生命活動を支える役割があります。

 自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあります。交感神経は運動時やストレスを感じるときに優位になる神経です。一方で副交感神経は、リラックスしているときや睡眠のときに優位になります。

 自律神経が乱れて交感神経が優位な状態が続くと、常に体が緊張状態となってしまうため、疲れが回復しにくくなります。

 したがって、朝起きたときに疲れを感じる人は、自律神経の乱れが関係している可能性が高いと考えられます。

 自律神経が乱れる原因には以下のようなものがあります。

・生活習慣の乱れ(不規則な食事、夜更かしなど)
・ストレス(仕事、人間関係などの悩みや不安の強さ)
・ホルモンバランスの変化(月経周期、産後など)
・疾患や加齢による神経系の変化
・天候や気圧の乱れによる気象病

 特に生活習慣の乱れやストレスは自律神経のバランスを崩しやすく、朝の疲れにつながります。また女性は生理周期によるホルモンバランスの変化の影響も大きいといわれています。

 自律神経を調整するには、体内時計が重要なポイントです。体内時計には中枢時計と末梢時計があり、視床下部にある中枢時計が交感神経と副交感神経をコントロールしています。不規則な生活を続けたり、ストレスが蓄積したりすると、この中枢時計がずれてしまうのです。その結果、自律神経のバランスが崩れ、朝のだるさや疲労感につながります。

 仕事中にコーヒーやエナジードリンクなどを飲んで、カフェインを日常的に摂取している人も少なくないでしょう。

 カフェインには神経を興奮させる作用があるため、過剰に摂取すると自律神経の乱れを引き起こし、動悸や吐き気、興奮、めまい、不眠といった症状につながる可能性があります。過剰摂取には注意しましょう。