皆さんの職場では、次のようなことはありませんか?(1)「朝、“おはよう”のあいさつがなく、皆、淡々と仕事を始める」、(2)「机が近い人でもメールのやり取りで済ませ、直接話をしない」、(3)「深夜残業が続く人がいても声をかけない」、(4)「派遣社員やパート社員を名前で呼ばない」……。
当てはまることがあれば、要注意。知らず知らずのうちに、職場の不快指数が相当高くなっている恐れがあります。
本特集では、今年のベストセラー、『不機嫌な職場─なぜ社員同士で協力できないのか』の著者、高橋克徳氏が執行役員を務めるジェイフィールの協力を得て、職場のギスギス度を測る「組織感情診断チェックシート」を、特別付録としてページ中に折り込んでいます。
上記の類の設問に回答していただき、読者自身に採点していただくものです。部や課、チームなどで構成メンバーに実施してもらい、平均値を出せば、職場全体のイライラ度やイキイキ度が判別できます。その数値と自分の数値を比較すれば、組織全体と自分のテンションの違いがわかります。
たとえば、課全体はイキイキと仕事をしているのに、自分だけが冷めているとか、メンバー全員がゆったりし過ぎる気分で仕事に向かっており、全体としてぬるま湯状態で問題だ、といった具合です。
レーダーチャートで図式化したものを、いくつかのパターンに分け、その状態の職場への対処策を高橋氏が解説しています。
その他、職場に不機嫌な雰囲気をもたらす原因を探り、解消策を探っています。その一つが、拙速な成果主義評価制度の導入。その弊害が顕在化したトヨタ自動車や三井物産では、ここ数年で改良を進めています。
アサヒビールや小林製薬では、中堅社員の役割を重視し、会社の制度としてバックアップ。京セラでは、コンパ(飲み会)を重視して人心掌握と社員のベクトル合わせに注力しています。いずれも、先進企業として学ぶところが多くあるはずです。
弊誌は1913(大正2)年5月に創刊し、95周年を迎えます。第2特集「日本経済を動かした10大事件」では、櫻井よしこ氏や野口悠紀雄氏ら13人の識者の意見を基に、この95年間を振り返っています。
(『週刊ダイヤモンド』副編集長 大坪亮)