7月8日に検索アルゴリズムを大幅変更
影響を受けたショップが抗議運動も
タオバオの「検索アルゴリズム」が注目されることは、これまで少なかった。筆者の知っている限り、タオバオは、そもそもECサイトであり、検索アルゴルズム自体は単純なルールで、グーグルの「被リンク」や「内部対策」のような概念が存在していないので、店舗としても「最適化」できる余地があまりないと思っていた。
また、検索アルゴリズムが単純であるがゆえ、タオバオのサイト内検索は、ユーザビリティが高いとは言えない。実際、ユーザーが商品を探すときは、予め店舗側が登録している商品カテゴリーから探す「カテゴリー検索」を主体的に利用していると言われる。タオバオは、圧倒的な商品掲載数を誇っているので、どの店舗のどの商品を上位表示するかは重要なテーマのはずだが、店舗もユーザーも非常に制限された環境下で、「検索」と向かい合っていたと言える。筆者も利用していて、自分の求めている店舗や商品に行き届いているのか疑問に思っていた。
一方、外部の検索エンジン対策という意味では、タオバオ自体も店舗も、重要視していないと思われる。中国EC市場におけるタオバオのシェアが圧倒的なため、インターネットで買い物をするユーザーは、まずタオバオにアクセスして検索する傾向が強いからだ。
検索エンジン「百度」に至っては、タオバオに出店している優良な店舗でも、これまでもほとんど検索結果に出ないのが実態であった。今後は、百度が出資している楽酷天(中国楽天)がオープンしたこともあって、その傾向は更に強まるだろう。
ところが、興味深い出来事が発生した。今年の7月8日に、タオバオが検索アルゴリズムを大幅に変更したのだ。その結果、数万店の店舗が大きな影響を受け、ある店舗ではトラフィックが90%ダウンしたと言う。杭州市のタオバオ本社前では、検索アルゴリズムを元に戻すよう求めた店舗運営者による300人規模のデモまで行われた。今回、検索アルゴリズムの影響が大きかったことを知り、筆者は改めてタオバオの検索アルゴリズムに興味を持った。