今のままで高度外国人材は日本を選ぶか?

 ここで、外国人の高度人材の立場になって考えてみましょう。どの国に移住するかを自由に選べるとしたら、どの国を選ぶでしょうか。まずは米国のように、経済が成長していて規制も少なく、起業などビジネスの自由度が高いところが選ばれるはずです。

 でもその国への移住のハードルが高いとしたら、その次は、優秀な外国人には政府が補助金を提供してでも来てもらおうとするシンガポールのように、高度外国人材の獲得に熱心で優遇策を講じている国が選ばれるでしょう。

 そう考えると、日本のように経済は停滞していて規制も多い国が、地方自治体が頑張って英語をしゃべれる家政婦を増やしたりしたくらいで外国人の高度人材から選ばれるとはとても考えられません。

 もちろん、日経の記事にもあるように、日本政府の側も、高度人材の永住権取得に必要な在留期間を3年未満にするなどのある程度の努力はしています。しかし、そもそも日本政府は外国人の高度人材の在留許可に当たってはポイント制度を導入しており、日本への在住を希望する外国高度人材の学歴、職歴、年収などの項目ごとのポイントの合計で優遇するかどうかを決めています。こんな“こっちの要求する水準を満たしたら日本に滞在させてやるぜ”的な上から目線の制度をやっていては、いくら家政婦さんなどの環境整備を頑張っても、グローバルなスケールでの外国人の高度人材の奪い合いで勝てるはずがありません。

 従って、真面目に外国人の高度人材の移住を増やしたいなら、世界での高度外国人材の奪い合いという現実を踏まえ、ポイント制という勘違いも甚だしい制度を改め、他の国のようにお願いしてでも日本に来てもらうスタンスに変更すべきではないでしょうか。

 ついでに言えば、日経の記事にある東京都の対応である外資系金融機関の誘致も時代遅れです。外資系金融機関を誘致しても経済の生産性の向上は期待できないからです。リーマンショック前に決めたような国際金融センターを目指す時代遅れの構想などさっさと捨てて、米国のように外国人起業家にもっとフォーカスを当てるべきではないでしょうか。