原油相場は、神経質な展開となっている。国際指標となる欧州北海産のブレント原油は、8月2日に1バレル当たり41.51ドルまで下落した。それ以降は反発に転じ、19日には51.22ドルまで持ち直したものの、足元ではやや下落している。

 8月上旬から中旬までの原油相場上昇局面では、産油国の生産協調に向けた動きが材料となった。

 8月4日には、ベネズエラの石油相とOPEC(石油輸出国機構)の事務局長が会談し、原油価格下支えのための産油国協議の開催に向け努力していると報じられた。8日には、OPEC議長国のカタールが、9月26~28日のアルジェリアでの国際エネルギー・フォーラムに合わせ、OPECの非公式会合を開催すると発表した。

 11日には、サウジアラビアのファリハ・エネルギー相が、9月下旬の非公式会合において、原油市場安定策を協議すると述べた。サウジは、2014年11月のOPEC総会で、米国のシェールオイルなど高コスト生産者から市場シェアを奪い返すべく、原油の減産を否定し、原油安を容認する方針を打ち出すのを主導した。

 しかし、ここにきて、国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開が計画される中、その企業価値を左右する原油価格の上昇を望んでいるとの見方が出ている。