原油相場は、6月上旬にかけて上昇した後、一進一退の動きを経て、足元では下落基調で推移している。

 国際指標となる欧州北海産のブレント原油は、ナイジェリアでの武装勢力による石油施設への攻撃などを受けて、6月9日には1バレル当たり52.88ドルにまで上昇した。

 その後、英国のEU(欧州連合)離脱による影響への懸念が強まった27日には47ドルを割ったが、その懸念が和らぐと、50ドル前後で推移していた。しかし、7月後半以降、値を下げ、29日には6月の高値から2割以上下落し、弱気相場入りの目安となる水準を付けた。

 米国のガソリンの需要期にもかかわらず、ガソリン在庫が増加したため、足元の石油需要が原油価格の上昇を支援するほどには強くないとの懸念につながった。米国のガソリン在庫は2月中旬に過去最高水準にまで膨れ上がった後、減少傾向で推移していたが、7月後半以降は再び増加傾向に転じた。