2016年8月25日、J.D.パワーは、国内で6回目となる「2016年日本自動車初期品質調査(Initial Quality Study:略称IQS)」を発表しました。新車購入後2~9ヵ月経過したユーザーを対象とした本調査では、メーカーによる品質改善の成果が表れ、「使いづらい」「不便」といった設計に起因する不具合が減少しました。
使い勝手や利便性の評価が
前年と比べて大きく改善
新車購入後に感じる不満は、「壊れた」「動かない」といった深刻なトラブルから、「カップホルダーが使いづらい」「スイッチが不便」といった細かなものまで多岐にわたります。
そのような不満を聞き取り、新車の品質についてまとめているのが、当社の「日本自動車初期品質調査(Initial Quality Study: 略称IQS)」です。
調査は、ユーザーが指摘した不具合をIQSスコア(新車100台あたり何件の不具合指摘があったか、Problem Per 100:PP100)として算出するもので、スコアが小さいほど品質が高いことを表しています。
2016年のIQSスコアは、対象車すべての平均で75ポイントとなり、前年調査よりも4ポイントの改善となりました。
また、指摘された不具合は、きしみ、異音、故障といった<製造工程>に原因があると考えられるものと、「使いづらい」「不便」といった<設計>に原因があると考えられるものに分けられます。調査では例年、前者を「製造不具合」、後者を「設計不具合」として分類し、それぞれの数値を算出しています。
今回の調査では、製造不具合が27.1ポイント、設計不具合が46.3ポイントでした。設計不具合の方が多いという結果は過去数年のIQSに共通して見られる傾向で、最近の新車が壊れにくいことを表すデータといえます。また、前年との比較では、製造不具合が-0.7ポイントであったのに対して、設計不具合は-4.2ポイントと大きく改善しています。このことから、最近の新車は壊れないだけではなく、操作性・居住性・快適性といった点でも以前よりユーザー評価が向上しているといえます。