欧州の国債市場が混迷を深めるなか、11月後半の週末にロンドンからアイルランドとスペインへそれぞれ1泊2日で行ってみた。
ダブリンに行ったのは、EUやIMFの幹部が来て、アイルランドの救済策を協議しているときだった。が、中心部はクリスマスセールを楽しむ買い物客でにぎわい、報道から伝わるイメージと異なっていた。ダブリン出身のロックバンドU2のボノとエッジがオーナーになっているホテルがあるが、満室で予約は取れなかった。
ダブリンはパブが多いことでも知られている。夜7時頃はどこも満員で空席を探すのが大変だった。ラグビーのアイルランド対ニュージーランド戦がテレビ中継されていて、アイルランドが前半に逆転したときは地元客は大絶叫していた(結局負けてしまったが)。
現地で合流した知人の留学生(韓国人)も、「危機はどこにあるのか?」と不思議がっていた。とはいえ、パブでエンジョイしているダブリンの人びとも心の中では、雇用、賃金、将来の年金への不安を抱いているだろう。街中で募金活動をしていた人に聞くと、ホームレスの増加が深刻な問題になっているという。U2の専用スタジオを最上階に設置する高層複合ビル“U2タワー”は2011年完成予定だったが、建築は大幅に遅れている。港近くの現地に行ったところ、クレーンはあったが、それらしい高層ビルは見えなかった。