アニメ世代の中国人は
日本への偏見、抵抗はない

 実は周さんもそのひとり。「小中学生のときに中国で見たたくさん日本のマンガやアニメ、テレビドラマは、僕たちの世代に強く影響しています」と語る。

 南京育ちの周さん。南京といえば、反日感情の強い土地柄でもある。しかし、周さんは「少なくとも僕のクラスメートは、日本や日本人に特に抵抗を持っていませんでした」という。

「アニメをきっかけに日本を知ったネット世代だからでしょうか。僕の両親も偏見はない。早大合格のご褒美に、両親は日本人が経営する南京の日本料理店に連れて行ってくれました」

 その周さんが余暇に夢中になっているのは、日本のアニメのよさを中国に伝えるサイトづくりだ。好きなアニメ作品は米澤穂信の推理小説を原作にした『氷菓』。「これからもどんどん発信していきたいし、専攻するマーケティングをこれに生かしたい」と夢を語る。

 周さんをはじめとする中国人留学生たちは、日本のコンテンツ産業を支える重要な予備軍でもある。中国の高度人材が日本経済にさらなる発展空間をもたらしてくれるともいえそうだ。それが中国の経済発展にもつながるなら、それこそが民間交流の底力だ。日中の未来を背負う留学生の、その好パフォーマンスに期待したい。