累計120万部を突破し、映画化されて話題にもなった『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(通称『ビリギャル』)の著者、坪田信貴氏が第2弾の著書『人間は9タイプ 子どもとあなたの伸ばし方説明書』(KAKADOKAWA刊)を上梓した。自ら経営する坪田塾の塾長として、ビリギャルら1300人以上の生徒にやる気を出せて、成績を急伸させたノウハウを詳細に書いたものだ。著者の坪田氏に、本書執筆の狙いや背景などを聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 山本猛嗣)
『ビリギャル』の講演会で必ず聞かれる
「接し方」などのコミュニケーションの悩み
坪田塾塾長。累計120万部を突破し映画化もされた『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(通称ビリギャル)の著者。心理学を駆使した学習指導法により、多くの生徒の偏差値を短期間で20~40など急激に上げた実績を持つ。テレビ・ラジオ等でも活躍中。愛知県名古屋市在住。
――今回、『ビリギャル』に続いて、上梓した『人間は9タイプ 子どもとあなたの伸ばし方説明書』ですが、子ども(あるいは部下)をやる気にさせて成績を伸ばす方法について、具体的に、『楽天家タイプ』『研究者タイプ』など人間を9タイプに分けて解説しています。この本を書いたきっかけは何ですか。
2013年12月に『ビリギャル』を出版して以降、ありがたいことに全国から講演依頼がたくさん来まして、これまで13万人以上の方にお話をしてきました。依頼の約7割が企業や産業界関係でした。
これら講演活動での質疑応答を通じて、気がついたことですが、受ける質問は毎回ほぼ共通していました。その多くが「どうやれば、人は育つのか」「どう接すれば、素直に言うことを聞いてくれるか」というもので、子どもや部下との接し方やコミュニケーションの取り方であり、つまるところは、家庭や職場での人間関係の悩みというものでした。
実際に『ビリギャル』を読んだという方からは、しばしば「本と同じような方法で子どもや部下に接したが、まったく効果がなく、ダメだった」と言われることがあります。
ビリギャル主人公のさやかちゃんは、今回の本でタイプ別分類すると典型的な『楽天家タイプ』です。ですから、「慶應に受かったら、キラキラした友達やおしゃれなイケメンの知り合いがいっぱいできるよ」「就職先も選び放題」などと、なるべく明るく、前向きな声がけを続けて「やる気」を持続させて来ました。
ところが、コツコツと努力する『堅実家タイプ』の子どもに同じことを言えば、「軽薄で、いい加減な先生だな。信用できないぞ」と思われていたと思います。
実は、人間には特性があり、その人に合った“声がけ”や“接し方”があり、教え方も変えるべきなのです。すべての人に「同じ方法」で指導してもうまく行くはずがありません。