英「エコノミスト」誌12月11日号は特集記事で「今年は結局、世界経済が驚くほど好調な年になった」と報じた。ユーロ危機といわれるものの、ドイツの急回復によってユーロ圏全体は意外に悪くない成長を示した。米国の二番底懸念は実現していない。世界経済は問題をはらみつつも、エマージング経済に牽引され、トレンドを上回る5%近い成長を示す見込みだ(日本にいると実感しにくいが)。

 金融取引、コモディティ取引などを仲介する世界最大のインターディーラー・ブローカーであるICAP社(本社ロンドン)は、12月8日に恒例のチャリティイベントを開催。同日のワールドワイドの手数料収入すべてを200の福祉団体に寄付した。今年の寄付金額は、上述のような世界経済の情勢を示唆するものだった。

 筆者は現在ICAPロンドンに居候させてもらっているため、そのイベントに参加させてもらった。社員は皆、ファニーなコスチュームを着用しなければならない。石器時代、不思議の国のアリス、スーパーヒーロー、芸者、忍者など多彩である。

 チャリティに賛同するセレブリティがこの日はICAPのディーリングルームに招かれた。ロンドンには映画「007」の俳優ダニエル・クレイグら数十人が、ニューヨークにはジャック・ニクラウス、トム・ワトソン、マジック・ジョンソンらが来ていた。