京都府は大きく「京都市」「山城」「南丹」「北部」の4エリアに分けられる。

 京都市内は神社仏閣を中心に観光地が多数あり、祇園や河原町など誰もが知る繁華街も擁する中心地だ。山城はお茶で有名な宇治市や京田辺市などがあり、大阪や奈良にも近い。南丹は京都市に隣接する亀岡市や南丹市、京丹波町があるエリア。北部は海に面する舞鶴市や兵庫県に隣接する福知山市、京丹後市などがある。

 4エリアに分けられる一方、各エリア出身者に話を聞いてみると、京都は「三層構造」になっているのでは?という確信にも似た疑問が湧いてきた。

福知山市街地。確かに「京都っぽさ」はあまりないかも

 一層目は、京都市内中心部の「洛中」と呼ばれる碁盤の目の中にある一帯。二層目が、京都市内の山間部や京都市に面する宇治市や亀岡市など。三層目が舞鶴や福知山といった京都市内から離れた主に「北部エリア」を含む地域だ。

 取材した福知山出身の男性に「京都出身なんて羨ましいです」と言うと、彼は食い気味に「いえいえ違うんです!」と勢いよく否定しながらこう話し始めた。

「出身を聞かれたら必ず『京都の福知山出身です』と言うようにしています。京都出身というと一気にハードルが上がりますから。福知山は本当に普通の田舎なんです。実は、亀岡出身の友人が京都市内出身の友人に『亀岡が京都を語るな』と言われていたことがありまして…。亀岡でそれなら、自分は絶対に“京都出身”なんて言えません」

宇治市にある世界遺産平等院

 確かに宇治生まれの男性も「京都市の人に『京都出身って言うな!』と言われたことがある」と話してくれた。しかし、一方で「福知山と舞鶴?あれは京都じゃない」との発言も飛び出す。つまり、宇治のような京都市に近いエリアの人たちの中には、京都出身のプライドを微かに抱きつつも、“本当の京都出身者”の顔色を窺いながら生きている人もいるようなのだ。

 そうした意味では、北部の人は潔いのかもしれない。都道府県魅力度ランキングを発表しているブランド総合研究所の田中章雄代表も「北部の人は自分たちの住む場所を“京都”と思っていない」と語るように、もはや自分たちは「京都出身ではない」と割り切っている。だからもし移住するのならば、京都府は「都」と「田舎」がはっきりと分かれており、自分はどちらが向いているのか、事前によく考えた方がいいだろう。