配偶者控除が廃止になると3万8000円の増税!

前回のこの欄では、子どもがいる世帯は5年ほど前から増税になっていることを書いた。増税の原因は、扶養控除の廃止や縮小によるもの。非課税枠である「控除」の額が減ると、所得税と住民税はアップする。

 毎年この時期になると、翌年の税制改正が議論され、検討段階の改正案が新聞やテレビで報道される。今年も「配偶者控除の廃止」や「19~22歳の子どもの扶養控除の縮小(7万円)」などの改正案が出たが、そういったニュースを目にしたとき「自分にどのくらい影響があるのか」を具体的にイメージできる人は少ない。

 そこでみなさんに知ってもらいたいのは「自分の所得税率」。自分の税率を知っていると、税制改正のニュースを目にしたとき、自分にどの程度影響があるのか金額を瞬時に頭に浮かべることができるのだ。増税の影響額は、減少する控除額に税率を掛けると求めることができる。

 たとえば「配偶者控除(38万円)の廃止」の案が実現したとすると…。増税額は、税率10%の人なら「38万円×10%」で3万8000円。税率20%の人なら7万円6000円税金が増える。

 増税ばかりではなく、減税のケースも見ておきたい。「個人型確定拠出年金」は来年1月から対象者が拡大することもあり、何かと話題になっている。掛金が所得控除の対象になることから所得税・住民税が減るという特典が気になる人が多く、「自分の場合、どのくらい税金が減るのか」といった質問を受けることが増えている。

 減税額も「自分の税率」を知っていると、簡単に計算できる。月1万円積み立てると、掛け金は年12万円。これに自分の税率を掛けたのが減税額だ。10%なら、1万2000円、20%なら2万4000円税金が減る。

 自分の税率を知っておくと、何かと便利なので、今回はその算出方法をお伝えすることにする。

所得税率+住民税10%が自分の税率

 自分の税率を知るために、少しだけ課税の仕組みを解説しよう。次のページの図(1)は、給料にかかる税金の仕組み図だ。