まず、長く働くためには、働く「場」の確保(雇ってくれる会社ないし自営の場合は顧客の確保)と、その時にも有効なスキルやビジネスの種の養成、心身の健康、などの準備が必要だ。それぞれに対策は異なるが、いずれも長期にわたる準備が必要だ。将来の可能性を狭めないためには、40歳くらいから先を考えて、45歳くらいから具体的に動きはじめるくらいの心構えが必要だろう。

 次に、本業以外に仕事を持つ「副業」、本業並みの自営ビジネスや雇われ先を持つ「複業」を、キャリアの早い時期から心掛けておくことが好ましい。

 また、スキルへの投資は、継続的に、あるいは折に触れて必要だが、できれば、本業を離れずに辻褄を合わせたい。職を離れることは、経済生活のリスク管理上危険ないし明白な損になることが少なくない。これは、将来も変わるまい。

 そして、公的年金は細るし、寿命は延びるのだから、自分で行う貯蓄の重要性は、従来の比ではない。

 加えて、複数の家族ないし共同生活者が働いて家計を営むと、稼ぎ自体を豊かにしやすいことに加えて、誰かが不調に陥った時の保険の効果もある。

 既に若くない人も含めて、多くの人が、こうした対策の幾つかを着実に実行していくことが必要だろう。

日本の社会は「ライフ・シフト」に
何を用意すればいいか

 長寿化する社会にあって、個人は、戦略を持って、「柔軟な働き方」を実現しなければならないということだ。

 世界の長寿化の先端を行く日本の社会は、こうした個人のために何を用意すればいいだろうか。

 筆者は、以下の5点を提案したい。

(1)「定年」廃止、
(2)週休3日の普及、
(3)副業解禁の明確化、
(4)確定拠出年金の年齢延長(まず70歳、次に75歳まで拠出可能に)、
(5)共稼ぎを容易にする社会的支援、

 である。