どの階が最も含み益を生むか?
お買い得は意外にも下階層

 建物の相続税評価は最大で2%だったが、これ以上に投資判断に影響を与える項目がある。新築から中古になった際の物件価格の変化率を見たものが、以下の表である。2010年1月以降に売りに出た事例を基に、最上階が31階以上のマンションのみで集計し、高層(31F以上)、中層(11~30F)、低層(10F以下)のフロアに分類して集計した。

◆図表3:タワーマンション階層別中古騰落率



 まずエリアで見ると、都心では新築時から価格上昇しているのが顕著である。都心から離れるほど価格が下がりやすいのは、マンション価格の法則性の1つである。次に、サンプル棟数が10以上あるエリアでは、高層階よりも低層階の方が値上がり幅が大きい。都心では10%ほどの差が出る。1億円で1000万円の差になるというわけだ。

 これは先ほどの税額の差の2%よりもはるかに大きいので、投資リターンで見たら高層階よりも低層階を買った方がお得ということになる。こうなる理由は、新築の価格設定に起因している。売主は全体の売上を最大化させるために、高層階の価格をなるべく上げ、来客の賑やかしと販売リスクを下げるために低層階の価格をリーズナブルに設定することが多い。特に総戸数が多い場合にはこの傾向が強い。マンション販売側はそれだけ売れ残りに対するリスクを強く抱いているものだ。この「癖」を利用しない手はない。その値上がり幅が10%もあるからだ。

 これに加えて、下層階の建物評価は今回減税されている。固定資産税も軽減されているので、お買い得は大規模タワーの下層階と覚えておこう。

 前述以外にも、タワーマンションの買い方にはコツがいくつかある。1つは北向きの方が値上がりしやすいことである。タワー以外の物件を含んでいる売出価格ベースの調査結果であるが、北向き住戸をつくるのはたいていタワーと思ってもらって間違いない。