「スーパーウルトラブラック」から
「ロマンスグレー」企業へ

 株式会社プリマベーラ(群馬県/リサイクル)は、群馬県を中心にリサイクルショップを多店舗展開しています。

 吉川充秀社長は、「残業をなくすには、社長の決意を『数字』で示すことが必要」だと考え、経営計画書に数字を明記しています。

「かつては月に100時間以上残業する社員もいて、スーパーウルトラブラック企業でした。
 そこで2年前に、私の決意として、経営計画書に『月に100時間以上働いてはいけない』と明文化しました」(吉川社長)

 そこで、吉川社長は、残業時間の見える化に取り組みます。

「言葉は悪いのですが、月に100時間以上働いている社員を『吊るし上げる』ことにしたんです。
 店長会議のときに、『今月の100時間オーバーは、この人とこの人!」と名前をデカデカと書き出して、公開処刑にしました(笑)。
 さらに、100時間以上働いた社員には、改善計画書を提出させた。
 すると、さらし者にはなりたくないし、改善計画書を書くのも面倒なので、100時間をオーバーしないように仕事のやり方を工夫するようになりました。2ヵ月連続で公開処刑された社員は、ほとんどいません」(吉川社長)

 社長の決意を数字で示し、そして、それが実行されているかをチェックした結果、プリマベーラの労働環境は改善されています。

「まだホワイト企業になったとは言い切れませんが、白と黒の間の『ロマンスグレー企業』にはなれたのかもしれませんね」(吉川社長)

 その後、大幅に残業改革が進み、2016年10月、月間平均残業時間がなんと45時間になりました。

小山昇(Noboru Koyama)
株式会社武蔵野代表取締役社長。1948年山梨県生まれ。日本で初めて「日本経営品質賞」を2回受賞(2000年度、2010年度)。2004年からスタートした、3日で108万円の現場研修(=1日36万円の「かばん持ち」)が年々話題となり、現在、70人・1年待ちの人気プログラムとなっている。『1日36万円のかばん持ち』 『【決定版】朝一番の掃除で、あなたの会社が儲かる!』 『朝30分の掃除から儲かる会社に変わる』 『強い会社の教科書』 (以上、ダイヤモンド社)などベスト&ロングセラー多数。
【ホームページ】http://www.m-keiei.jp/