現場にはいくらでも
ネタが転がっている!
現地現認。企業倒産のニュースで情報源として名前が出る調査会社の、調査担当者が新人時代に叩き込まれるという鉄則です。必ず現地に赴いて、その場で自分の目で確認せよという意味です。それは週刊誌の記者という仕事もまったく同じです。時間が許す限り現場に足を運び、当事者に話を聞くのは、現場にはいくらでもネタが転がっていることが分かっているからです。
現場で自分が見聞きして得た情報を一次情報、その一次情報を得た人から伝え聞いた情報を二次情報と言います。電話で話した、メールをもらって得たのも二次情報ならば、新聞やテレビのニュースも二次情報です。就活生にとっては、会社案内のパンフレットも世間の評判も新聞やテレビでの紹介もすべて2次情報と定義していいでしょう。
この二次情報が実にやっかいなものなのです。本当に情けない話ですが、一次情報を伝える新聞、テレビ、雑誌などのメディアが色眼鏡で事件や出来事を取材して報道した結果、世を欺いてしまうことはよくあります。
それ以上に二次取得者への情報伝達の段階では、じつに多くの情報が切り捨てられています。「10を知って1を書け」などと取材の現場では教えられるものですが、現場に立った人間にとって当たり前のこと、重要性に気づかなかったこと、伝えたい意図には関係ない情報など、さまざまな理由で、あなたにとっての驚き、感動、本当に知りたいことが伝えられていない可能性は極めて高いのです。
すでに見聞きしているような気になっている情報でも、現場に行って自分で確認することは、極めて重要な作業です。
ノンフィクション作家の佐野眞一氏は著書『私の体験的ノンフィクション術』のなかで、全国で相次いで起きた17歳少年の犯罪の現場を踏んだ時の話を紹介しています。