晩婚化、非婚化が進む現代日本。男性の5人に1人、女性の7人に1人が生涯未婚だという調査結果もある。若者が結婚を考えない/できない大きな理由の一つが「経済的な不安」だ。巷では「結婚はコスパが悪い」といった声も聞かれる。しかし一方で、経済的な不安がある人こそ、結婚をすべきと指摘する識者がいる。その理由とは?(取材・文/藤堂真衣、編集協力/プレスラボ)
独身30代男性の声
「自分一人で世帯を支えるのはムリ」
2013年の厚生労働省の発表によると、2010年の生涯未婚率(満50歳の時点で一度も結婚をしていない「未婚」の人を示す割合)は男性で20.1%、女性で10.6%。同データでは2015年の生涯未婚率(推計)は男性で24.21%、女性で14.9%にのぼる。これは男性のおよそ5人に1人、女性のおよそ7人に1人が結婚しないという計算になる。
未婚率はじわじわと上昇を続けており、また初婚年齢も上がり続けている。2012年の調査では男性で30.8歳、女性で29.2歳というデータが出ている。
非婚化や晩婚化が進む一方で、「結婚相談所」の広告はテレビCMや雑誌でよく見かける。オープンな出会いの場である各種「婚活パーティー」も盛況を見せている。自治体主導の婚活パーティーも人気だ。非婚化・晩婚化の原因として、よく「最近の若者は自由でいたいから結婚したがらない」などと言われるが、本当の理由はそれだけではないだろう。
実際のところ、大きな原因のひとつに「経済的な事情」があるのは自明のことだ。共働きが多数派となったとはいえ、いまだに「稼ぐのは男」という風潮の中で、男性たちからはこんな声が聞かれる。以下は、実際に筆者が独身男性たちからヒアリングした中で聞かれた言葉だ。
「現在の年収は300万円程度。妻になる人の妊娠や出産を考えると、自分一人で世帯を支えていくのは無理だと思う」(30代男性)