「お宅は配れなかったチラシをコンビニのゴミ箱に捨ててこいと指導しているのか!?」
ある朝のことです。A社の営業所の電話が鳴りました。受話器をとると、電話口からコンビニエンスストアの店長が怒鳴っているのが聞こえてきました。
電話応対したA社の担当者に詳細を伺いました。簡単にまとめると以下のようになります。
コンビニのアルバイト店員がゴミ箱のものを集めてゴミ捨て場に持っていこうとしたところ、「いつもよりも重い」と感じて、中を確認しました。すると、A社のチラシが束ごと大量に捨ててあるのがわかり、アルバイト店員が店長に報告したというわけです。冒頭の店長が怒るのも無理はありません。
コンビニのゴミ箱に捨てられていたのは、各家庭のポストに投函するチラシ(ポスティング)でした。A社はチラシの種類とエリアから、担当者をすぐに割り出しました。残念なことに、チラシをコンビニのゴミ箱に捨てたのは、新入社員であることが判明したのです。
A社はチラシを投函する反響営業で商品を売っている企業です。当然、作成したチラシもタダではありません。制作するにあたって文字の配列やデザインをしたレイアウトや配布枚数分の印刷代がかかっています。配布するときの人件費も含まれています。これらにかかる費用も踏まえ、予想を下回る数値となれば赤字になります。
それだけではありません。堂々と会社名を明記しているチラシだからこそ、道端に落ちていたり、配布せずにまとめてゴミ箱に捨てていたりすれば、逆に会社のイメージや信用を貶めることになります。それも会社が認識していない間に起こる(通報や連絡があってから判明する)から大変です。
今回は、こうした会社の信用を落とす行為の危険性について考えていきたいと思います。