昨年9月に民進党代表に就任した蓮舫氏。旧民主党政権時代から、政治の矛盾と戦う姿勢が国民の人気を集めてきた氏に、寄せられる期待と責任は大きい。日本が今直面している課題とこれから進むべき未来を、どう見据えているのか。女性リーダーならではの視点から、その政治信条をあますところなく語ってもらった。(聞き手/『週刊ダイヤモンド』編集委員 原 英次郎、ダイヤモンド・オンライン副編集長 小尾拓也、松野友美 撮影/宇佐見利明)
安倍総理との党首討論で見せた
蓮舫流「言葉の選び方」とは
――カジノ法案などをめぐる昨年12月上旬の党首討論では、「神ってる」という流行語を織り交ぜての蓮舫さんらしい歯切れの良いトークが注目されました。昨年9月、野党第一勢力である民進党の代表に就任してからしばらく経ちましたが、今の感想を聞かせてください。
ひとことで言って、大変です。責任が一議員とは全然違いますから。代表就任前の代表代行時代と比べて、そこが一番大きいですね。何をするにしても、私の背中には衆議院96人、参議院50人の国会議員、総支部長として公認内定している仲間、自治体議員の仲間、党員、サポーター、そして支援して下さる国民の皆さんなど、本当に多くの関係者がいると実感しています。
だから、丁寧にしっかりやらなくてはいけない。ただ、丁寧にやり過ぎると尖れなくなるし、逆に尖ると丁寧さが抜けてしまうので、そのサジ加減がすごく難しい。先月の党首討論では、そのバランスを意識しました。
――党首討論のような場で、自分の考えをはっきり伝えることは難しいですか。国会には一般人がうかがい知れない調整事項がたくさんありそうですが。
いえ、むしろ党首討論のほうが発言内容に制限がなくて自由なんです。予算委員会や決算委員会などでは、それぞれ予算案や決算案が議論の対象になるので、ある意味で縛りがかかる。党首討論にはその縛りがないので、やり甲斐があります。
また党首討論では、こちらから討論内容の事前通告をするものの、幅広い議論ができます。また、総理からは事前通告がないので、どんな質問がくるかわからない緊張感もあります。自分の実力と反射神経が試されるので、相当面白いですよ。