現行法は、土地を収用された農民に対して、収用された土地の元の用途に応じて補償し、土地補償金と移転補助金の合計が、収用前3年間の年間平均土地生産性(=収入金額)の30倍を超えてはならない、と規定している。しかし、実際には、収用された土地が競売にかけられて成約された土地譲渡金額(販売額)が、収用補償額をはるかに上回る状況がしばしば起きている。つまり、土地譲渡金と収用補償額の巨額の差額が政府の懐に入るという土地収用の矛盾の頻発を招き、社会の安定に大きな影響を与えているのだ。

 このため土地管理法が改正されると「農村の土地は突然、以前の価格より大きく値上がりし、一方、一部都市の住宅価格はさほど高騰しなくなる」という見方がある。

 土地管理法の改正は既に数年の準備を重ねてきた。ここ数年、日本の国会(立法府)にあたる全人代の代表は土地管理法改正に関する大量の議案を提出しており、その議案には収用補償基準、補償方式、土地収用の範囲、収用の手続き、集団建設用地の使用権移転等における問題点が集中的、強烈に反映されている。これらは現行法において解決が待たれている際立った問題点でもある。

 前述した新華社通信の報道によると、多くの全人代代表が、土地管理法改正について、「土地が農産物を生産する資源価値と財産価値の二重の属性があるという原則に配慮し、財産権平等保護の原則を堅持し、土地収用補償の基準をもっと高めるべきだ」と指摘している。

 報道は以下のように続く。「2015年、全人代常務委員会は国務院(行政府にあたる)に、全国33県市区における農村土地収用、集団経営建設用地の市場参入、宅地管理制度改革テスト地点の指定の権限を付与し、実践によって実行可能だと証明されるところに対し、関連法の改正を要請した。現在、国土資源省が既に土地管理法改正案の原案を作成している」。

農地を国有土地と同価格にして
供給増やし住宅価格の高騰をなくす

 では、改正後の土地管理法は農村の土地に何をもたらすのか。

 全人代代表で、清華大学政治経済学研究センター主任の蔡継明氏は、改正後の土地管理法は「(13年の)第18期中央委員会第3回全体会議(3中全会)の精神に基づいて、都市部、農村部の統一的な建設用地市場を確立すべきだとしている。つまり、これは農村集団所有の建設用地は計画が用途の規定に符合さえしていれば、都市部の国有の土地と同等に市場の取引に参入でき、同価同権でなければならない」と、メディアに見解を示した。