原油や金属から農作物まで、様々な資源の価格が高騰しています。今週の『週刊ダイヤモンド』第一特集は、「マネー暴走、資源沸騰」です。
プロローグの「次はサウジか、中国か 世界が息をのんで見つめる政変ドミノの終着駅」では、資源高騰が引き起こす政変ドミノを「風が吹けば桶屋が儲かる」風に解説。その発端が実は日本にあったことをご存知の人は、少ないのではないでしょうか。
また、今回の特集では、中国の民主化デモを封じ込める現地取材を敢行。緊迫する現地の状況が手に取るようにわかります。
パート1の「これが暴走マネーの実態だ」では、米国の金融緩和で膨れ上がった投機マネーがいかに世界で荒れ狂っているかをレポート。「大図解グローバルマネーの流れ」を見れば、その構図が一目瞭然に理解できます。
さらに、21兆円もの残高を持つ怪物ファンド「CTA」の危うさや、市場で囁かれる「日本買い」の真相を探ります。
パート2の「商品価格沸騰のメカニズム」では、原油などのエネルギーのサウジ波及を含めた中東情勢の行方を分析。また、鉄・非鉄原料を巡る資源メジャーとメーカーとの攻防などをレポートします。
その他、「有事の金」が市場最高値をつけた背景にある「米中戦争」の事実、穀物高騰の背景にある米政府の「不都合な真実」などを知ると、資源高騰の別の一面が見えてきます。コーヒー、カカオ豆などの嗜好品、果てはたまねぎやにんにくまでが高騰していますが、それぞれの背景も、記事を読めばよく理解できるでしょう。
資源高騰に伴い、各国の資源争奪戦は過熱しています。中国はアフリカを中心とした資源外交を積極的に行ない、さらにボリビアやイラクなどへとその触手は伸び、世界中の資源権益を食いまくっています。
それに対し、昨秋以降、資源貧国の日本も資源外交を本格化。各国による資源争奪戦は、ますますヒートアップしています。そうした実態を一覧できる「資源争奪マップ」は、一見の価値ありです。
パート3の「過熱経済に直面する新興国」では、食料価格が暴騰する中国のインフレ事情を詳報。食用油やトイレットペーパーの価格が、日本の7倍にまで吹き上がる異常事態になっています。
さらに、政府規制が全くの焼け石に水である不動産バブルの実態も、読んでいただければ驚きます。とにかくこの一冊を読めば、資源高騰の「今」がわかります。ぜひご一読下さい。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 松本裕樹)