総長や山中教授らの
「トップセールス」が奏功

 東京大や早慶など、都市部の多くの大学でローカル化が進む中、地元以外から学生を集めることに成功しているのが京都大学だ。

 16年入試における京都大合格者の2府4県の割合は50.6%で、この20年でピークだった04年の59%から右肩下がりとなっている。中でも1都3県は12年から5年連続で合格者が増え、16年の占有率は12.3%。18人が合格した女子学院を筆頭に、合格者が10人以上の高校が10校ある(図参照)。

 リーマンショックの影響を等しく受けているにもかかわらず、京都大の1都3県の割合が増えている一因は、柔軟な広報戦略にあるようだ。代々木ゼミナール教育総合研究所の主幹研究員、坂口幸世氏は言う。

「数年前に講演や個別の高校訪問などを通して、松本紘前総長や山中伸弥教授らが首都圏で京都大をアピールしました。総長やトップ研究者が直接魅力を語る効果は大きく、首都圏の合格者が増えているのには、そうした影響もあるようです」

 一方の東京大も、かつては広報活動をほとんど行わなかったが、05年から旧帝大や早慶など有名大学とともに全国でPRを行う、主要大学説明会を主催している。これにより当初は、地方からの合格者が持ち直した時期もあったが、地元志向を跳ね返すほどの魅力は打ち出せていないようだ。

 その点、京都大は主要大学説明会に加え、総長や研究者によるトップセールスが効いているというわけだ。両校の広報活動という点では、こんなエピソードもある。

「卒業生を呼んで行う大学の説明会において、京大生が自分の言葉で生き生きと大学の良さを伝えようとするのに対し、東大生は、付き添いの職員に決まったことを言わされている感じがします。官僚的な東京大と自由な京都大という雰囲気が後輩に伝わり、京大ファンが増えるのです」(都内の女子進学校の進路指導教諭)