部下に気を遣いすぎて、自分の色を出せていない管理職は少なくありません。自身の個性を存分に打ち出して、ぶれずに、なびかずに、堂々としていれば部下はついてくるものです。今、若いビジネスパーソンはどんな上司を求めているのか? 課長とどのような話をしたいと望んでいるのか? 『課長のための「やらない」教科書』著者で人材育成コンサルタントの田原洋樹氏が教える、最適なコミュニケーションのあり方とは。
部下が「価値」ありと受け取る
課長の話、3つのポイント
情報があふれる今の時代において、現代の部下はどのような課長の話を「価値」があるものとして受け取るのでしょうか?
課長は部下に、どんな話をすればいいのか。3つのポイントを挙げます。
(1)「失敗談」を積極的に語る
よくある光景として、課長が自身の過去の成功談を取り上げ、懸命に部下に語ろうとしますが、それはかえって逆効果です。
人の成功談は、聞いている側からすると一種の自慢話にしか聞こえません。まして、課長という、部下にとってはひと昔前には自分と同じ立場だった人間から聞かされる成功談は、なんとなく上からいわれているという圧迫感を受けます。
したがって、部下の心に響きません。
ではどうするか?
課長は成功談ではなく、むしろ失敗談を積極的に語るべきです。
そうすることで、一気に部下との心理的距離を縮めることができます。