いまや2人に1人がかかるとされる花粉症は、日本の現代病だ Photo:PIXTA
スギ花粉の飛散がピークを迎えている。いまや2人に1人がかかるとされる花粉症は、日本の“現代病”だ。前日本銀行総裁の黒田東彦氏が執筆するダイヤモンド・オンラインの連載『黒田東彦の世界と経済の読み解き方』の今回のテーマは、「花粉症の経済への影響」。黒田氏自身も苦しんだことがある花粉症とその対策、そして日本経済への影響は?
いまや日本人の2人に1人は花粉症
大蔵省の課長や審議官時代に苦しんだ
いまや日本人の2人に1人は花粉症にかかっているといわれている。私自身も、花粉症に苦しんだ時期がある。今回は花粉症の原因と経済への影響を、個人的な経験も交えながら考えてみたい。
私は大学在学中から1967年の大蔵省(現財務省)入省にかけて、横浜市戸塚区の自宅に住んでいた。家の後ろには杉林が広がっていたものの、花粉症になることはなかった。その後、結婚して都内の公務員宿舎に住むようになったが、やはり花粉症とは無縁の生活を送っていた。
花粉症に悩むようになったのは、80年末から90年台半ばにかけてである。当時は主税局の課長として地価税導入やグリーンカード廃止問題に関わったほか、国際金融局の課長や審議官として国際通貨問題や援助問題に関連して異常に忙しく、ストレスも多かった頃である。実際に、省内の診療所で診断して治療薬を処方してくれた医師は、ストレスが花粉症の一因だと述べていた。
医師の言った通りなのか、2003年に財務省を退官して一橋大学教授になった頃には、花粉症に苦しむことはなくなった。そして05年から13年までアジア開発銀行総裁を務めた際には、国際機関の運営自体は複雑でストレスも高かったものの、フィリピンのマニラには杉やヒノキはないので、花粉症と全く縁がない日々を過ごすことができた。
その後、帰国して日本銀行総裁を10年務めたが、ストレスもあまりなく、花粉症の症状も出なかった。現在の政策研究大学院大学(GRIPS)の政策研究院シニア・フェローの仕事も快適であり、東京・世田谷区の駒沢オリンピック公園の近くに住んでいるが、花粉症は経験していない。







